読書日録
佐野洋子さんのエッセイは、大好きでした。 しかし、出版社のPR誌で連載していた『シズコさん』を何回か読んだとき、苦痛で読みすすめなかった。途中から、読まなかった。 でも、思い直して『シズコさん』が刊行されたときに、購入しました。 でも、やはり、…
いちにちじゅう、本を読んで過ごしたい。とおもっても、そういうわけにはいきません。 きょうは、どの本をバッグに入れて出かけようか。出かける直前に、重すぎて、置いていかれる本もあります。 いま、入っているのは、お茶の本、お花の本、そして佐野洋子…
「時」は燃えるローソクの 滴のように無くなっていく、 山々と森はその日々を持つ、 それぞれの日々を。 あなたがたは、どうぞ、 モミから生まれた森の 昔の軌道から、お願いです 外れていかないように。 アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イエイツ…
舞台は昭和四十年の福島県いわき市の常磐炭鉱。危機的状況の中、炭鉱で働く人々は、職場を失う現実・苦悩に立ち向かい、町おこし事業として立ち上げた常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生から成功までの実話を描いたものです。(W…
ヴェルレーヌの余白に 辻征夫 今宵なほ、わが衣、あげて移り香を籠めてぞくれゆれ…… 吸ひ給へ、いざわが身より、芳はしき花の想ひ出。 「サァヂの薔薇」(齊藤磯雄訳)きのふひとり けふひとりともを うしなひぬ。 はなびらにまで 微小な棘あるわが庭の 薔薇…
ここ数日、ルドルフ・シュタイナーの『神智学』を探していましたが、見つからないので買うはめに。『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』『神秘学概論 』はあるのですが、いったいどこにいってしまったのでしょう。一日に何度か「早く出して」といわ…
最新の「週刊読書人」(2008年6月13日金曜日発行日付のもの)に「日本の貧困を考える」という見出しで、湯浅誠という人と堤未果という人の対談があった。 お二人の名前をわたしは知らなかった。家人から勧められて、読んだ。 すぐに湯浅誠氏の『反貧困』(岩…
立原正秋の『埋火』(うずみび)新潮文庫/には、七つの短篇が収録されている。「仮の宿」は、最初の一篇。何度読んでも、「湯文字」という言葉にどきっとする。 わたしは「湯文字」は持たない。着物の教室でも「湯文字」という言葉を聞かない。 だから、わ…
宇野千代の書いた着物の本や幸田文の書いた着物の本はもちろんだが、小説のなかの登場人物が着ている着物にも惹かれる。 立原正秋の小説を読むときのたのしみはそんなところにもある。
さて、支離滅裂なわたしの読書傾向はとどまるところを知らないけれど、日曜日に読み終えたのが『山谷崖っぷち日記』大山史朗著(角川文庫)でした。これは応募作品として、第九回開高健賞を受賞。書籍として刊行されたそのときはとりたてて食指が動きません…
いま、たてつづけに読んでいる傾向の本のタイトルを見たら、いかに私が支離滅裂な人間かがわかる。 去年のことだったか、ふとしたことで出会うことになった気功の方から「あなたは、野垂れ死にをしてもかまわないと思っている魂の持ち主だ」と言われたことが…