白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「その日わたしは草であった」

その日わたしは草であった 山本かずこ 人知れず すくすくと ただ生い茂っていた その日わたしは草であった昨日は雨が降った その前もその前も雨が降った 雨量がとても多いこの地方でも 今年の雨は特別に多い だからわたしは この夏すくすくと育つことができ…

「いまでも時々思い出す」

いまでも時々思い出す 山本かずこ ちゅうおうせんの しゅいろの電車がはいってきた 小さな女の子(恵)が 若い両親と手をつないでいた 幸せそうにみえるのだった ドアがひらいたとき 両親は右と左にわかれてドアに向かう そのとき 小さな女の子(恵)の手を…

「ひとりをいのったばっかりに」

ひとりをいのったばっかりに 山本かずこ あの子が幸せでありますように(みんなむかしからのきやうだいなのだから けつしてひとりをいのつてはいけない)*けれども あの子が幸せでありますように わたしはおいのりを つづけました(みんなむかしからのきや…

「いちどにどこにでも」

いちどにどこにでも 山本かずこ (西の国で何か 不吉なことがおこっているのだよ)*わたしはそのとき、東の国で生きていたのか ええ、でも 同時に 西の国にも生きていたのだ 森のなかを遊び場にして わたしは いちどにどこにでもいることができる (生きて…

わたしのこと

この「白玉庵」に訪れてくださる方は、さまざま。 「湯浅誠」「週刊読書人」「お茶」「お点前」「黒田正玄」「茶杓」「着物」「反貧困」「山谷」「立原正秋」などなどで検索されて来る方も。 だから、「雨コート」というキーワードでやってきた人が「反貧困…

『反貧困』を読む

最新の「週刊読書人」(2008年6月13日金曜日発行日付のもの)に「日本の貧困を考える」という見出しで、湯浅誠という人と堤未果という人の対談があった。 お二人の名前をわたしは知らなかった。家人から勧められて、読んだ。 すぐに湯浅誠氏の『反貧困』(岩…