白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

いつものコンパニオンはどこに行ったのでしょう。

 
 この連休があけると同時に、仕事の締切が待ちかまえている状態です。ここから一週間が山場でしょうか。ということで、この連休は仕事のモードを維持しながら、なんとなくすっきりしない日を過ごしています。
 ホテルで開催された表彰式での取材のテープおこしをしていて、コンパニオンたちのことを思い出しました。10数年来、多少は変わってもリーダーはもちろん、ほぼ同じ顔ぶれの方たちだったのに、今年から別のグループになっていたのです。一年に一度、お会いするだけの方たちでしたが、お顔を見るとうれしかったのです。
 メンバーのキャリア、人数などを考えると、あきらかな経費削減。いい社風の残っているこの企業だけは、そのようなことはしないとどこかで思っていたので、それも甘いわたしの考えと知りました。
 いつものコンパニオンの方たちは、どこに行ったのでしょう。
 
 テープのなかで私は呟いています。
「コンパニオンの方たち、いないですね」
「いるじゃない」とYさん。
 すると、ほかのスタッフが言いました。
「いるけど、顔ぶれが変わってしまっている」
 キャリアがあればあるほど、値段交渉で敗れてしまうのでしょうか。
 
 いつものパーティ会場の景色とは違い、気のせいか、華やかさに欠けた気がしました。これまでの着物姿ではなく、みんな同じ制服を着た、無国籍ふうのコンパニオンでした。つまらない、と思ったのは私が着物を好きだから? そうではないと思います。いつもはモデル業も兼業されているのかと思うくらいに、美しさや優雅さ、たおやかさでも、いままでの方たちが勝(まさ)っていると思いました。今度の方たちは、一分の隙もない振る舞いなのでした。訓練を受けていることはわかりますが、なごやかな雰囲気のなかで、もてなしをする主催者側の立場からすると、ほんとうの仕事がわかっていないように思います。


 今でも目に浮かびます。
 お仕事を終えられたあと、リーダーの方がひそかに腰の辺りで指を使って合図をすると、もうそろそろ時間なのかと気配を感じていたメンバーたちが、さあーっと集まります。その後、みんな一列に並んで笑顔でいっせいにご挨拶をされたあと、音もなく(という感じで、すばやく)会場を後にされていたあの鮮やかさがたまりませんでした。プロフェッショナルの域にいつも見とれていました。お互い仕事なので私語を交わしたことは一度もありませんが、わたしはお会いするのが楽しみでした。
 長い間、ありがとうございました。