白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

扇太鼓結びの練習をする。

 おめでたいときに締める帯に「扇太鼓結び」という結び方があります。
 冷たい雨のなか、昨日はレッスンに。重いレッスンバッグを肩にかけて、手にはいつもの本の入ったバッグを持ち、傘もさして、東武東上線から、山手線に乗って出かけました。袴の着付け(美しい、早い、崩れないを厳しく要求されるプロの世界)に一歩足を踏み入れたわたしは、さらなる奥深い着付けの世界へと踏み入れようとしているのか。どうか。自問しつつ、着物の道はつづきます。
 昨日は、扇太鼓結びの練習をしました。
 その前に、黒留め袖の着付けから。力がいります。総じて、紐の閉め方がゆるいと指摘されます。とくに、黒留め袖は、ひもがゆるいとずるずると着物自体の重さで下に落ちてきます。締めるときの力は、これでもかというくらい、力仕事のジャンルだと思います。袴は主に卒業式のシーズンに集中しますが、こちらはお祝いの席に需要があります。
 力をつければ、結婚式場などに派遣されるようです。
 おめでたい席にふさわしい「扇太鼓結び」を、熟練の方たちは、額に汗して結ばれていました。わたしもハンカチをスタッフエプロンのポケットに準備しましたが、汗をかくまではいきません。もともと、汗をかかないタチなのですが、やはり、正しく力が入っていないからなのでしょう。
 レッスンが終わったら、今度は山手線、京浜東北線武蔵野線に乗り継いで打ち合わせに。これは、着物とは全く無縁のジャンルです。武蔵野線から東武東上線に乗って帰り着いたのが夜の10時ごろ。この日、わたしはどこにでもいたし、どこにもいなかった。


「扇太鼓結び」