白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

七事式のお点前「一二三の式」

七事式のお点前でいちばん苦手なのが「一二三の式」です。亭主のお点前のできばえの評価をするというものですから、これはかなりきびしいお点前となります。
このお点前は、わたしの想像するところ、他のお稽古に較べて極端に回数が少ないのではないかと思います。
数年前に行ったことがありましたが、なんと亭主がわたしだったのです。
これが、非常につらかったのでした。
さて、今回も例によって、お嬢さんがあみだくじを用意されていました。台天目のお点前になるか、唐物のお点前になるか、「一二三の式」のお点前になるか、そのいずれの場合の正客になるか。あみだに線を入れるのですが、最後にわたしに回ってきた時、今回ばかりはそれが当たりたくないという一心で線をしつこくひいてしまいました。(5本は線を入れてしまいました。当たりませんように…と思いながら…)
結果、あみだをしてもしなくても上からあらかじめ書いた名前の順番は変わらず、そのままということになりました。
「あら、あみだって線をひいてもひかなくても同じだったかしら」とお嬢さん。
(そんなことはないと思います…)
ごめんなさい。「一二三の式」のお点前が当たってしまったOさん。
Oさんはこのお点前がどれほど「怖い」お点前か知らなかったから、当たった時点では、動揺はありませんでしたが、わたしとNさんは、その「怖さ」をよおく知っているのでした。
台天目のお点前が終わり(わたし)、唐物が終わり(Nさん)、とうとう「一二三の式」に。
Oさんもその怖さを知るにつれて、時間と共にどんどん疲れてくるのがわかります。背中にあらわれるのです。
数年前は、亭主役を務めて心底疲れましたが、今回の客の役でもやはりとても疲れました。
どちらの役も、できればやりたくないです。


*一二三の式」のお点前について。
「点前のでき」「お茶のたち方」「亭主の態度」などすべてを総合して評価するが、一応はふだんの標準に従えばよい。しかし、亭主のためにきげんとりをして、無責任に上位の札を入れるなどは厳に慎まねばならない。(『定本 茶の湯表千家 下巻』より)