白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

お茶の先生のこと 2

 タクシーに乗ろうとしたら、先日乗せていただいた若い運転手さんでした。そのときのことは、以前、「白玉庵」にも書きましたが、きのうは、すぐに「あ、この間の人だ」と言われて、「○○先生のところですね」と行き先を先に告げられました。
 そのあと、少し沈黙があり、先生によろしくお伝えくださいと言われました。先生のことを尊敬しているとも。
 「実際、お会いするとお話もできないですが、ほんとうにすごい方ですよね。どれくらいお弟子さんがいらっしゃるんですか」
 などと、たずねられました。
 先生は、今年の春に嵐山でお茶会(お弟子さんたちだけのお茶会)をされましたが、当日お見えにならなかった方も含めて50人くらいはお弟子さんを持たれているのではないでしょうか。そう一瞬おもったものの、説明しているうちに到着しそうだったので、火曜日と金曜日の教室とそれからほかでも教えられているようですよ、と手短に答えました。
 「平等主義」の先生は、分け隔てなく、徹底的に教えてくださいます。上達するしないは、各自の「やる気」次第なのかもしれません。
 タクシーの運転手さんは、わたしが降りるときに「日本もまだ捨てたものではないですね」とおっしゃったけれど、帰ってきて「TPP」に交渉参加表明をしたことを知り、がっくり。日本は、どうなるのでしょう。



 昨日のお稽古には、嵯峨菊の付下げと、飛び鶴の帯、白の帯締め帯揚げを締めて出かけました。先生から「そのままの格好で皇室にも出かけられそうですね」とお褒めいただきました。着物も帯もわたしのお気に入りなのでうれしゅうございました。格ということだけでいえばそういう種類のものなのかもしれないとも思いました。
 「きょうは、炉開きですから」と答えました。
  「炉開き」とは、「口切り」と合わせて、「茶の正月」とも考えられるものです。
 炉縁のお塗りは、敷き松葉と松ぼっくり。この季節に使われるものです。
 花は照葉と、西王母(せいおうぼ)。いよいよ椿の季節に入ります。
 お菓子は、虎やの羊羹と、先生が二日前に大阪のお茶会に出かけられたときのお土産のおこし。本格的な岩おこし(しょうが入り)でした。おいしくいただきました。
 きょうは社中の方が三人お休み。「花月」は一度させていただきました。わたしの役札は先週につづいて「月」。
お点前は、炉に入ってのはじめてのお濃茶。そして、お運びのお薄。このお運びのお点前は、水差しの置く位置などを身体で覚える基本中の基本のお点前です。