白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

気づくまでは気づけないこと。一、水指について。

気づくまでは気づけないこと。一、水指について。

 

もうずいぶん前になりますが、気づくまでは気づけないことがあるということを、自分へのいましめとともに肝に銘じたことがあります。これは、お点前のお稽古手順などと違い、とりたてて教えられるものではないだけに、自らが気づかなければ気づけないのです。

今日は、水指について書いてみたいとおもいます。

 

運びの点前のときは、たいていは土ものの水指を使います。

お棚の地板のあるものには、土ものでも染め付けなどの磁気でもどちらの水指でも使われます。

絶対そうしなくては、というわけではないかと思いますが、そう思って、「同門」の「稽古場の歳時」道具組の水指を拝見すると、いまのところ、わたしには例外は見つけられないでいます。

お稽古場においても、運び点前に限らず、たとえば、唐物などのお棚を使わないお点前のお稽古をする方と、お棚を使った通常のお稽古をする方がいた場合、土ものと染付の水指があらかじめ水屋に準備されていることに気づくはずです。

まだ、お稽古をはじめて間もないときには、そこまでは気づくことはできないとおもいますが、じょじょに進んでいくと、或る日、気づく。これが、自らが気づくまでは気づけないことなのかとおもいました。そして、知っておかなければいけないことかとおもいました。

 

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