白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

随筆

サクラサク

(眼下には満開の桜が…) サクラサク 山本かずこ 一年ぶりの奥多摩である。奥多摩には、両親のお墓がある。青梅で乗り換えて、約四十分。車窓いっぱいに、山桜がひろがっている。いつか、満開の桜の咲く日に奥多摩に行きたい。そう思って数年。今日はやっと…

じゅうぶん      

じゅうぶん 山本かずこ お茶のお稽古が終わって帰る私を、先生が玄関先まで見送ってくださった。上がり框の所で指をついてご挨拶される時もあるけれど、その日は、私と一緒に外に出られて、何げない感じで、来週は貝母が咲いているかしら、と言われた。 「貝…

喫茶去

銘「喫茶去」 林竹作 筒 花押 辻常閑和尚 先生からお茶杓をいただきました。いまから二年ほど前のことです。銘は「喫茶去」。「きっさこ」と読みます。中国、唐の時代の趙州従諗(じょうしゅうじゅうしん)という禅僧の言葉だそうです。 「お茶を飲みに行こう…