白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

母の着物

夏の定番、琉球絣の着物を見るたびに、母を思い出します。母は好きだったのでしょう。白い生地に黒の絣模様の着物が何枚か、私の手元に残りました。白いパラソルをさしていた母の姿。おしゃれが好きだった母の着物たち。
けれど、それは7月8月までお預け。それにしても、母は夏向きの単衣の着物はあまり作らなかったのかもしれません。と書いて、けれども木綿の着物はたくさん作っていたことを思い出しました。
私がお茶席のことを考えるから木綿の着物が頭から抜け落ちていたのですね。
いつの日か、毎日着物を着るようになったら、木綿の着物の出番もたくさんあるのに、いまはひっそりと箪笥のなかで「今年も着てもらえなかったわ」と思っているのかもしれません。