白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

火災報知器点検の一日…。

 いつも秋になると火災報知器点検の日がやってきます(ずっと前は真冬だったように思います。一年に二度の年もあったように思います)。
 この日だけは、どこをどう片付けようがのがれようがないので、本がいっぱい詰まったままの押し入れを開けっ放して、部屋の真ん中に立ったまま、点検が終わるのをひたすら待っています。
 入室された二人のうち、ひとりはベランダへ。緊急時のはしごを下ろそうとするのですが、下の階で洗濯物が干してあるから下ろすことはしません。
 万が一のときは、かまわず下ろしてください、と言われますが、そういうときがあったとしても、練習していないし、もしはしごがさびていたりしたらどうなるのだろう、と思ったあとで、そういえば去年も同じことを思ったことに気づきました。
 はしごの係の方は責任者なのか、はしごだけで終わります。いっしょに部屋の真ん中に立ったまま、もう一人の仕事が終わるのをただひたすら待っています。わたしたちの目の前には、スキンヘッドのマネキン人形の華ちゃんが立っています。着物をきて、スキンヘッド。家の者は慣れていますが、そうでないひとからすれば、たいへんなところに来てしまったと思っているのかもしれません。わたしはすでに疲れていて、会話をする元気もありません。朝5時半起きで、大掃除だったので、ぐったりしているのです。
 それに、我が家の本の多さに直面して、無力感にうちひしがれている感じ。
 脱力感と、無力感で、ただただ早く終わってくれないかなと、はしご係の方とおんなじ方向を向いて、じっと立っているだけ。