白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

桜の花を活ける。


 昨日のお花のお稽古では、室(むろ)で育てたという桜。すかし百合。赤紫の小菊を活けました。
 桜の木は、折れやすい。ためるという作業をしていると、微かな音がします。枝の骨が折れているのです。力を入れすぎてはだめなのです。
 木槿の木などは、少々力を入れてもびくともしません。
「人と対するときの気持ちで接しなければいけません」と先生。
「何も言わないという人の気持ちをないがしろにしてはいけません、その人は言わないだけなのです。言わない人にこそ、気持ちをくんで接しなければいけないのです」
 花にも教えられます。かわいそうな、桜。ピシッという小さな音は抗議の音でしょう。でも、健気に外見は何事もないように、苦しい表情を見せていません。

 
 家に帰り、さっそく活けてみました。
 すかし百合はまだ蕾ですが、花ひらくとゴージャスになるのでしょう。それまでうす桃色の桜の花が主役です。わが家に来てくれて、ありがとう。