白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

「脳死」についておもうこと

2009年(平成21年)7月13日、改正(悪)臓器移植法のA案が参院本会議で可決し、成立してしまいました。
あまりにもあっけない成立は、解散含みの国会運営で、自らの政治生命のことで頭がいっぱいの国会議員たちが、手に余る問題については考えることを手放したように見えました。

現行法では、脳死の人からの臓器提供は、提供者本人の書面による意思表示を必要としていたのに対し(この法律自体もおかしいと思います。臓器は提供したりされたりするものではないでしょう。)、法律改悪に伴い、本人の意志がわからなくても家族の同意があれば、臓器の摘出ができることになるわけです。


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ちがう、ちがう。生きているのです。しかし、「生きています」とは自ら言うことができない。脳死状態でも、生きているのです。
 
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この改悪に伴い、無力な子供たちの臓器が、狙われることになるのは間違いないと思います。
特に貧しい家の子供たちが、狙われると思います。
臓器移植の機会を待っている子供たちの親から懇願され(あるいは医療サイドからの一見正論に懇願され)、お金を積まれたら、同じ子供を持つ親として同情もし、さらに法律でも決まっていることだし、ということで提供してしまう流れに傾いてしまうように危惧します。心理的な圧力がそこには加えられるのでしょう。


それでなくても昨今の薬事法改悪(医薬品の通信販売禁止の法律)により、大手製薬会社ほか、のやりたい放題が野放しにされるわけですから。