白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

パーティ会場にて

毎年、春にはホテルで行われる表彰式の取材に行きます。
表彰式のあとは、場所を移して懇親会が行われます。
10数名の着物姿のコンパニオンの顔ぶれもおなじみ。そして、経営者のご主人と同伴されている、奥様がたの着物姿も素敵だと思います。
そのなかにいまにも帯がくずれてしまいそうな方がいらっしゃいました。
わたしは、気が気ではありません。
談笑されているその方のまわりをうろうろ。話がとぎれたとき、思い切って、声をおかけしました。
「お食事中申しわけありません。あの…ちょっと、こちらのほうへ。帯が…」などと言いながら、会場の隅の、人から見えない場所へとお連れしました。
「わたしも、ずっと気になっていたの」と移動しながら、奥様。
帯締めが外れそうになっていたものですから」そう言いながら、帯を整えて差し上げたら「なんだか、母に直してもらっているみたいだわ。年はわたしの方がずっと上なのに」とおっしゃいました。「これで安心しました」とわたしは言いました。
わたしはペーパーの「着物(着付)教授」ですが、こんなときにお役に立ててほんとうによかった。