白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

「若冲と琳派」

いまから3〜4年前に「若冲琳派」の展覧会に行ったことがあります。
手元にあるカタログを見ると、副題が「きらめく日本の美―細見美術館コレクションより」とあります。
私はこの展覧会に、そういえばひとりで行ったのでした。仲良しのKさんも郷里に帰ってしまった後で、もしまだ東京にいたらきっと一緒に行っているのになあ……と思ったときの気持ちまでよみがえりました。
会場を歩きながら、伊藤若冲もいいけれど、私は琳派といわれる人たちの絵が好きなのだ、とあらためて思ったこともよみがえりました。
若冲について、梅原猛が触れていた文章がそういえばありました。
そこでは、若冲のことを「奇人」だと言っています。また、「徹底的に物に付け」というのが若冲の絵の理論だと紹介されています。写生ではありながら、写生ではない。その絵をして梅原猛は「私はこれはアニミズムの絵ではないかと思う」と言っています。
若冲自身が、鳥になり、花になり、貝になって、この絵を描いているのである」と。
この技法は、また、優れた詩作品にも通底すると思えるのです。