白玉庵のいちにち

表千家茶道教室

 秋の山梨へと

秋の奈良から帰ってきた翌朝は、秋の山梨へと出かけました。
午前7時10分に家を出て、横田さんのお家へお迎えに。
この日もたいへんな上天気。
私の好きなお菓子(疲れてくると弱いノドが直撃されることを知っている横田さんが、ノドにいいトローチまで入れてくれていました)を準備してくれた横田さんと観光バスが停まる場所へと向かう。
山梨へぶどう狩りに行く、それしかわかっていなかった私でしたが、恵林寺がそのコースに入っていたことを知り、内心興奮いたしました。
乾徳山 恵林寺は1330年、夢窓国師によって開かれたお寺。武田信玄菩提寺と定めた臨済宗妙心寺派の古刹です。
横田さんと一緒に、武田信玄公のお墓参りもいたしました。
幸い、どなたもおらず、本堂をふたりだけで歩きました。国指定名勝である池泉回遊式庭園では生きている水が流れていました。
「水車があるの?」と横田さん。「ううん、水車はないけど、庭のなかで水が気持ちよく流れているの」と私。
 横田さんは22歳から突然目が見えなくなったのです。知り合ってから15年は経ったでしょうか。いつのまにか横田さんは70歳を越えました。私ももちろんいつのまにか…。
 「ここに武田信玄のお墓があるんです」と私。「この方向でいいの?」と横田さん。「もうちょっとこっちです」身体を少し左の方向に直した横田さんとふたりで信玄公に向かって合掌しました。
 この日のメインイベントはぶどう狩りでしたが、私にとっては、恵林寺がメインとなりました。